参考になる質問と答え

コラム「耳垢は押し込まないでね」

1日、1日 日が長くなって来ました。 この時期になると、私は、耳鼻科健診で大忙しです。
4月初旬から、毎週1回ペースで、付近の小・中学校を訪問しています。 
耳鼻科検診で、驚ろかされるのが 「耳垢」と診断される子供が多いことです。
これでも、遠慮して診断をつけているのですが(笑) 鼓膜が耳垢でみえない子全員に、
耳垢という診断をつけると 相当の数になってしまいます。

いちがいに、「耳垢」といっても、耳垢栓塞というときもあります。
これは、耳垢が外耳道に固まりになり、聴力が悪くなります。
また、プール等で、耳に水が入り耳垢が、ふやけると、更に聞こえにくくなるので
必ずプールの前までに耳鼻科へ行くようにしてください。
広く検診が行われるようになり、耳垢栓塞の子供は、だいぶ減ってきましたが、
太い綿棒で、耳垢を奥に、押し込まれている子供が、1校に数人はいます。

日常の診察でも、お母さん方が驚かれるほど、 乳幼児に耳垢が詰まっていることがあります。
泣き叫ぶ子供を押さえて、外耳道が傷つかないように耳垢を取り除くことは、
耳鼻科医でさえ、大変、苦労します。
意外に、お家で耳垢を取る習慣のない子供たちのほうが、簡単にゴソッと取れます。
やっかいなのは、親御さんたちが中へ中へと、押し込んでしまった耳垢です。
「耳垢は取らなくてもいいのですか?」と、よく尋ねられますが、
耳掃除で、親子のスキンシップも大事ですが、耳鼻科医としては、
取らないで来てくださったほうが、本当は嬉しいのです。

もうひとつ、耳掃除で注意することは、習慣的な耳掃除は、 止めていただくということです。
これから、夏になると、外耳炎が増えてきます。やたら耳を触り過ぎるのが原因です。
お風呂上りも、綿棒で、耳の水を取る必要などないのです。
タオルで、耳の入り口だけを拭いてください。 あとは、体温で乾いてしまいます。
お風呂上りに、綿棒で触りすぎて、耳が臭くなり連れてこられる 赤ちゃんも、非常に多いです。

また、耳掃除中に、他の兄弟が当たって来たということで、 鼓膜や外耳道に傷をつけて来院される
子供さんがいます。 綿棒で遊んでいて自分で『グサッ』 と、さしてしまう子どもさんも多いです。
気軽に耳掃除しないように、綿棒は子供の手の届かないところに置いてくださいね。
外耳道の皮膚は、奥から外へと、毎日少しずつ動いています。
耳の奥へ、耳垢が貯まらないようにできていて、顎を動かす動作でも、 自然に外へ出てしまいます。
特に乾いた耳垢の人は、めったに掃除をしなくてもいいのです。
湿った耳垢の人は、耳掻きで外へ取り出すようにしてください。